すっきりと晴れて、心地の良い風が吹く良い一日でした。
日が落ちる少し前、東の空の向こうに雲の街を見つけました。
雲の街は、少し歩けば辿り着けるくらいにすぐそこにあるように見えました。
夏の雲は壮大で力強く、不思議な生命力であふれています。
幼い頃、夏の雲を何時間もぼんやり眺めているのがとても好きでした。
強い日差しでぽこぽこと浮かび上がる幾つもの凹凸に
架空の街や人や暮らしを想像して、
自分も雲に住めたらいいのになぁと思ったりしました。
様々な雲がゆっくりと移動しながら形や色を変えていく様は
いくら見ていても見飽きる事はありません。
そんなことをぼんやりと思っていたら、ひときわ明るい金星が姿を現して
辺りはゆっくりと夜の空気に包まれてゆきました。
深い群青色の空に小さな星も現われ始めて
気が付けばもう満天の星空です。