ある日の朝

いつものように息子の泣き声で目が覚めた。

何時だろうと思い時計を見るとまだ6時。

その日は仕事が休みであろうと息子には関係のない話である。

そして鉛のように重くなった瞼を必死にこじ開けた瞬間に、いつもとは違う空の色に気付いた。

嫁に息子を任せてカメラを手に外に出る。

目に飛び込んできたのはピンクと言うべきか、それとも赤と言うべきか、とにかく鮮やかに染まった空の色。

山も木もそして建物までもがその鮮やかな色に染まって見えた。

その崇高な光景に目を奪われしばらくその場に立ちつくしふと思う。

もしかして息子が休みの日に限っていつもよりも早く目が覚めたのはこの空のせいかもしれない。

もう少しパパを寝かせてあげようか、それともこのきれいな空を見せてあげようか。

息子なりにかなりの葛藤があったのかもしれない。

そして悩んだ挙句息子が出した答えは、言うまでもなく大正解である。

でももしかしたらただお腹が空いただけだったのかも・・・・・。

そんなことを考えているといつの間にか空はいつもの空に戻っていた。

急いで家を飛び出したのでかなり薄着の僕は急に寒さを覚え、飛び出した時と同じくらいの速さで家に飛び込んだ。

その瞬間に飛び込んできたのはさっきの空と同じくらい鮮やかで崇高な光景、満面の笑みを浮かべながら両手を広げて僕の方へ走ってくる息子の姿であった。

 

あさ

 

あさ2

 

あさ3