三国峠へ秋に出かけるなら、紅葉の色と同じくらい、ブナの森と県境を越える道を見てみてください。山の写真を一枚撮って帰るだけでは惜しい場所です。
10月の山は色の話になりがちです。でも、落ち葉を踏む足元、太い幹が続く林、道の先が別の県につながっていることを知ると、景色に奥行きが出ます。ここを歩いた人は、昔どんな気持ちで峠を越えたのでしょう。そんなことを想像できるのも、三国峠の面白さです。
ブナの幹を見ると森の表情が変わる
環境省の三国峠園地に関する資料には、この一帯を「ブナ等の広葉樹林」と記しています。秋は葉の色に目を奪われますが、ふと幹の形にも目を向けてみてください。一本ずつ太さも曲がり方も違う。まっすぐ整列した庭木とは違う、山の木の姿があります。
葉の色は天候や時期で毎年変わります。群馬県観光公式サイトが示す三国峠の例年の紅葉時期は10月上旬から中旬。10月下旬に出かけるなら、盛りの色を約束するより、落ち葉の積もる林や見通しの変化を楽しむつもりで行くのがよさそうです。現在の色づきは当日の天候も含めて、出発前に現地の公式情報で確かめてください。

県境の道には昔の旅の気配がある
環境省の自然歩道案内によると、三国峠は群馬県と新潟県の県境です。峠には御坂三社神社があり、旧三国街道へとつながります。車で通り過ぎれば短い距離でも、徒歩で道をたどると、峠が二つの土地を結ぶ場所だったことを実感しやすくなるでしょう。
自然歩道の案内には、三国峠から旧街道を経て永井宿へ下る道も載っています。沿道には大般若塚など、森だけでは終わらない見どころが続きます。ただし、このコースは環境省が難易度三つ星とする山道。秋の散歩気分で全区間へ入るのではなく、登山経験や装備に合わせて行き先を決めたいところです。

猿ヶ京に泊まる旅なら峠の先まで急がない
東京方面から車なら関越道の月夜野ICから国道17号で猿ヶ京温泉へ。旅籠屋丸一の公式交通案内では、この区間を約20分としています。三国峠は猿ヶ京よりさらに新潟方面へ進んだ先です。峠を見に行くなら、車を停める場所や歩く区間を事前に決めておくと、景色を見る時間を確保しやすくなります。
公共交通だけで峠まで向かう場合は、環境省の案内でもバスとタクシーを組み合わせています。運行本数や現地の道路・登山道の状況は変わりますので、環境省の自然歩道案内と群馬県観光公式の三国峠案内を見てから計画を立ててください。雨のあとや冷え込む日は、足元にも気を配りましょう。
峠の森を見たあとは、国道17号を戻って猿ヶ京へ。宿へ着くころには、山の色より、森の中の一本の幹や足元の葉が記憶に残るかもしれません。旅籠屋丸一の交通案内と地図で道順を確かめ、宿泊日ごとの料金と空室は下の公式予約画面でご覧ください。

この記事を書いた人
窪田 一生
旅籠屋丸一 代表取締役/15代目
群馬県・猿ヶ京温泉生まれ。現在は旅籠屋丸一の15代目として、歴史を受け継ぎながら宿の新しい未来に挑戦中。このブログでは、猿ヶ京温泉や旅の魅力、宿づくりへの想いをお届けします。

