旅籠屋丸一のもてなしは、お客様の時間を邪魔しないことから始まります。宿に着いたら、何をするかはお客様が決めていい。お茶を飲むのも、窓の外を見るのも、先に湯へ行くのも、その日の気分次第です。
宿主としては、つい『こちらも見てください』とお伝えしたくなることがあります。書画も、建物も、湯も、好きなものばかりですから(笑)。でも、せっかく猿ヶ京まで来ていただいた一泊。説明をたくさん聞くより、まずご自分の速さを取り戻していただきたいのです。
宿の楽しみを決めるのはお客様
公式サイトに、丸一は『必要以上に入り込むサービスは行わず、のびのびと開放的な時間を』と記しています。これは、何もしないという意味ではありません。お迎えに必要なご案内をしたうえで、客室へ戻ったあとは、お二人やご家族だけの会話を大切にしていただく。私たちは、その時間に余計な予定を足さないようにしたいと思っています。
たとえば寛畝の居間には、窓際にゆったり座れる場所があります。旅先で『次はどこへ行こう』と話すのもよし、今日はその相談さえ明日に回すのもよし。旅の予定表に空欄があっても、宿では少しも困りません。むしろ、その空欄が後から一番よく思い出されることもあります。

湯の順番も時計より気分で
温泉風呂付きの客室を選んだら、湯へ向かう順番まで自分たちで決められます。到着してすぐに入る方もいれば、荷物をほどいてからという方もいるでしょう。晴湖などの客室には専用の温泉風呂が備わっています。どのお部屋に温泉風呂があるかは、予約前に公式の客室一覧で確かめてください。
私なら、移動の靴を脱いで、しばらく部屋で過ごしてから湯へ向かう時間も好きです。もちろん、これはおすすめの順番を決めたいわけではなく、温泉を『決まった時刻に済ませる用事』にしなくてよい、という話。湯上がりにまた居間へ戻れるのも客室風呂の楽しさです。入浴は体調に合わせ、のぼせる前にひと休みしてください。

ひと言ほしいときは遠慮なく
ほどよい距離は、話しかけにくさとは違います。道のこと、客室のこと、館内で分からないことがあれば、スタッフへお声がけください。必要なときにお役に立ち、そうでないときは一歩引く。その加減を、私たちは宿の仕事として大事にしています。
部屋に戻り、寝支度までの時間を好きに使う。清逸のような離れにも、窓と寝床のある落ち着いた一角があります。『もう少し起きていようか』と言いながら、結局すぐ眠ってしまう夜も、旅なら悪くありません。特別な予定がなくても、ここへ来た時間がきちんと残る。そんな宿でありたいのです。

客室ごとに広さや設備は異なります。公式の客室案内で、同行する方とどんな時間を過ごしたいかを思い浮かべながら選んでください。猿ヶ京温泉へは、東京方面から車なら月夜野ICを経て国道17号へ。公式の交通案内も出発前にご覧いただけます。空室と料金は宿泊日や人数で変わるため、下の公式予約画面で最新の内容をご確認ください。
お越しいただくことへの感謝は、たくさん話すことだけでは伝えきれません。旅籠屋丸一では、お客様がご自分の時間を過ごせるように整えて、お待ちしています。

この記事を書いた人
窪田 一生
旅籠屋丸一 代表取締役/15代目
群馬県・猿ヶ京温泉生まれ。現在は旅籠屋丸一の15代目として、歴史を受け継ぎながら宿の新しい未来に挑戦中。このブログでは、猿ヶ京温泉や旅の魅力、宿づくりへの想いをお届けします。

