旅の荷物をほどき、湯上がりの一服を楽しんでいると、館内の小さなお土産棚に目がとまることがあります。きらきらと光るのに、どこかやわらかい。手に取ると、思いがけないほど軽い。群馬県桐生市で生まれた糸のアクセサリーブランド、000(トリプル・オゥ)です。
旅籠屋丸一では、数ある品のなかから、グラスコード70cmと、スフィア・プラス ネックレス60cm・80cmを選んでご用意しています。旅の余韻と一緒に、日常へ小さな彩りを持ち帰っていただけたら。今日は、糸から生まれる不思議な立体感と、長さを選ぶ楽しさを宿主の目線でご案内します。
000(トリプル・オゥ)とは|桐生の刺繍から生まれたアクセサリー
トリプル・オゥを手がける株式会社笠盛は、公式サイトによれば1877年創業。長く刺繍に携わってきた桐生の会社です。2010年、「糸でアクセサリーを作る」という発想からブランドが始まりました。名前に並ぶ三つの0には、既成概念にとらわれず、発想・素材・技術をいつも原点から見つめたいという思いが込められています。
上毛かるたの「桐生は日本の機どころ」という札をご存じでしょうか。「機どころ」とは、織物づくりが盛んな土地のこと。桐生に積み重なった繊維の知恵が、現代の装いへ姿を変えたものの一つが、この立体刺繍のアクセサリーなのだと思います。昔からの仕事が、今の暮らしにすっと馴染む。その橋渡しに、群馬らしい物語を感じます。
芯まで糸でできた、5〜9mmの小さなスフィア
丸く見える部分は硬いビーズではありません。公式商品情報では、芯を入れず、糸の状態と針の動きを調整して刺繍そのものを立体に仕上げると紹介されています。機械を動かすための緻密なプログラミングと、その日の湿度まで読む調整、最後の手仕事。小さな糸玉の一つひとつに、職人の時間が重なっています。
スフィア・プラスは、5〜9mmほどの糸玉が少しずつ大きさを変えながら連なる、すっきりとしたデザインです。素材はシルクに近い光沢感を持つ植物由来の再生繊維キュプラ。色が鮮やかでも主張が強すぎず、ニットにもブラウスにも合わせやすいところが魅力です。装うことを急がず、自分の好きな色を選ぶ時間。それもまた、日常に回復の余白をつくるひとときではないでしょうか。
旅籠屋丸一で扱うグラスコード70cm

読書眼鏡やサングラスを外したとき、置き場所に迷わず胸元へ。グラスコードは、そんな小さな不便に寄り添う道具です。公式情報では長さ70cm、重さ約6g。メガネを外したときに胸のあたりへ収まりやすく、掛けたときにもコードが自然に垂れる長さとして設計されています。
コードの主な部分は糸でできており、眼鏡と触れても硬い素材のような音が出にくいのも、暮らしの中ではうれしいところです。留め具は眼鏡のつるに通す仕様で、形状や太さによって合わない場合があります。丸一の店頭では、色や留め具、現在の在庫をご覧いただきながらお選びください。
スフィア・プラス60cmと80cm、どちらを選ぶ?

60cmは胸元にほどよく収まり、シャツやクルーネックの装いに一点の色を添えたい日に選びやすい長さです。公式情報では重さ約6g。糸玉の間へフックを掛ける仕様で、約7mm刻みに長さを調整できると案内されています。
80cmは縦の線が生まれ、ニットやワンピースにも合わせやすいゆったりした長さ。公式情報では重さ約8gです。長さがある分、色の連なりをゆっくり楽しめます。すっきり見せたい日は60cm、重ね着の上からのびやかに添えたい日は80cm。数字だけで決めず、店頭で鏡に映したときの顔まわりや服とのバランスをご覧ください。
猿ヶ京温泉の旅から、桐生の手仕事を持ち帰る
同じ群馬県でも、猿ヶ京温泉と桐生では山の景色も町の表情も異なります。それでも、人の手を重ねて受け継ぐこと、素材の声を聞きながら新しい形へ進むことには、どこか通じるものがあります。古い建物を守りながら宿を営む私たちにとって、トリプル・オゥのものづくりは親しみを覚える存在です。
旅籠屋丸一での取扱商品は、グラスコード70cm、スフィア・プラス ネックレス60cm・80cmに絞っています。色、在庫、店頭価格は入荷状況により変わるため、ご宿泊時に館内でご確認ください。お手入れや修理については付属の案内とトリプル・オゥ公式サイトをご覧いただけます。
自分のために選ぶ一色も、大切な方の顔を思い浮かべて選ぶ一色も、旅の記憶をそっと結んでくれます。ほかのお品も気になる方は、旅籠屋丸一のお土産案内もあわせてどうぞ。湯上がりの少しゆるんだ気持ちで、糸の光と軽さを手に取っていただけたらうれしいです。
この記事を書いた人
窪田 一生
旅籠屋丸一 代表取締役・15代目
群馬県・猿ヶ京温泉で、歴史を受け継ぎながら宿の新しい未来に挑戦中。このブログでは、宿のこだわり、群馬の手仕事、旅の余白を宿主の言葉でお届けします。

