育風堂「はもんみなかみ」|谷川岳の風が育てる、みなかみ生まれの生ハム

育風堂の生ハム「はもんみなかみ」を薄くスライスして盛り付けた実物写真

旅先で見つけるお土産には、家へ帰ってからもう一度旅を始めさせる力があります。袋を開けた瞬間に、山の空気や寄り道した道までふっと戻ってくる。みなかみ町の精肉店・育風堂がつくる長期熟成生ハム「はもんみなかみ」は、まさにそんな一品です。

薄い一枚なのに、話はずいぶん厚い。群馬麦豚の後肢一本と塩、谷川岳から吹き下ろす風、そして職人の時間。本記事では、そのおいしさの背景から、実際に食べられる場所、買える場所まで、丸一目線でご案内します。

「はもんみなかみ」とは?

育風堂の長期熟成生ハム「はもんみなかみ」の原木をスライサーで切る様子
育風堂の「はもんみなかみ」。写真提供:育風堂(心にググっと観光ぐんま掲載)

育風堂は、昭和38年(1963年)創業の精肉店。水上駅前通りで長く親しまれ、2012年に本格的なハム・ソーセージ工房を備えた現在の店舗へ生まれ変わりました。

看板商品の「はもんみなかみ」は、群馬麦豚の後肢を丸ごと一本使い、谷川岳から吹き下ろす風の中で約12か月かけて乾燥熟成させる生ハムです。仕込み時におよそ11kgあった脚は、熟成後には約7kgへ。水分がゆっくり抜け、そのぶん風味がぎゅっと集まります。

肉を急かさず、時計にも「まあ、座ってお茶でも」と言いたくなる一年仕事。みなかみの気候そのものが、見えない調味料になっています。

原料と風と、人の目で育つ

育風堂の熟成庫で長期熟成中の生ハム原木を確認する店主
時間と職人の目が育てる熟成庫。写真提供:育風堂(心にググっと観光ぐんま掲載)

長期熟成は、ただ吊るして待てば完成、というのんびりした話ではありません。温度や湿度を管理し、色や香り、触れた感覚を職人が確かめます。同じ一年でも、山の季節は毎年少しずつ違う。その変化と付き合いながら仕上げるからこそ、一本の原木に土地と人の仕事が残ります。

薄く切ると、赤身の凝縮した味わいに、脂のまろやかさと穏やかな塩気。まずは何も足さず一枚。次はパンやチーズ、ワインや地酒と一緒に。気づけば「もう一枚だけ」が三回くらい続くので、お皿の人数配分には少々ご注意ください。

どこで食べられる? 育風堂の併設レストラン

育風堂に併設された明るい肉屋のレストラン店内
育風堂併設レストランの店内。写真提供:育風堂(心にググっと観光ぐんま掲載)

まず確実なのは、育風堂のショップに併設された「肉屋のレストラン育風堂」です。「はもんみなかみ」をはじめ、自家製ハムやソーセージ、ポーク料理、カツ丼など、肉屋ならではの料理を味わえます。新緑や紅葉の頃には、営業状況によりテラス席が楽しめることもあります。

なお、事前予約ではなく、来店時に店頭端末で受付する方式が公式に案内されています。ショップは10時から、レストランは11時から。混み合う日は、先に受付を済ませてショーケースを眺めるのも良い時間です。眺めすぎると、お土産の袋が予定より育つかもしれません。

どこで買える? 販売場所は3つに分けて確認

群馬県みなかみ町大穴にある育風堂精肉店の外観
川と緑に囲まれた育風堂。写真提供:育風堂(心にググっと観光ぐんま掲載)

1.育風堂の直営ショップ

店舗のショーケースでは、スライス商品や原木をはじめ、自家製ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミ、精肉、ギフトなどを選べます。商品や熟成状況によって在庫が変わるため、「はもんみなかみ」を目当てに訪れる場合は、当日の在庫を電話で確認すると安心です。

2.育風堂公式オンラインショップ

育風堂公式オンラインショップでは、スライス、原木、ギフトなどが掲載されています。熟成品のため、時期によっては品切れや発送待ちになることがあります。最新の価格、在庫、送料は注文前に公式ページでご確認ください。

3.催事・期間限定販売

百貨店や物産展などへ期間限定で出店することがあります。ただし、常設の販売場所ではありません。開催情報は育風堂の公式サイトや公式SNSのお知らせを確認するのが確実です。

店舗情報|育風堂精肉店・肉屋のレストラン育風堂

  • 住所:群馬県利根郡みなかみ町大穴814-1
  • 電話:0278-72-3574
  • ショップ:10:00〜18:00
  • レストラン:平日11:00〜14:00 L.O./土日祝11:00〜17:00 L.O.
  • 定休日:水曜日(季節・年末年始の変則営業あり)
  • 公式サイト:https://ikufuudo.com/

※営業時間・在庫・提供メニューは変更になる場合があります。お出かけ前に公式サイトまたは電話で最新情報をご確認ください。

丸一の旅に「おいしい余韻」を

猿ヶ京からみなかみの町へ車を走らせ、育風堂で一皿を味わい、お土産を選ぶ。温泉だけで急いで日常へ戻らず、帰り道にも小さな楽しみを残しておく。そんな寄り道は、旅の時間を少し長くしてくれます。

里山の風景と湯でひと息ついたあと、谷川岳の風が育てた生ハムを。日常に戻って袋を開ける夜までが、きっと旅の続きです。月刊まるいちでは、これからも「ここへ来たら、もう一歩だけ寄り道したくなる」みなかみのおいしい話をお届けします。


取材・執筆時の確認日:2026年8月8日。製法・店舗情報は育風堂公式サイトおよび心にググっと観光ぐんまの公開情報を参照しました。