秋の山道には、ときどき車を止めたくなるほど美しい場所があります。けれど、照葉峡の11の滝を訪ねる日は、その気持ちを少しだけ胸にしまってください。ここは歩いて巡る遊歩道ではなく、渓谷と滝を車窓から味わう場所だからです。
みなかみ町藤原の照葉峡には、俳人・水原秋桜子が名付けた大小11の滝が、およそ5kmにわたって点在します。新緑から紅葉へ、水と葉の色が移っていく山あいを、今日は安全なドライブの目線でご案内します。
照葉峡の11の滝は、約5kmの渓谷に点在
群馬県観光公式サイトでは、潜龍の滝、岩魚の滝、白龍の滝、山彦の滝、翡翠の滝、木精の滝、つづみの滝、不断の滝、時雨の滝、木の実の滝、ひぐらしの滝という11の名が紹介されています。ひとつずつ名を追うと、水の音に物語が添えられているようです。
ただし、すべてを見つけることを旅の宿題にしなくても大丈夫です。木々の隙間に白い流れが見えたら、同乗者がそっと眺める。運転する方は視線を道路へ。その役割分担も、山の旅を穏やかにする大切なこだわりです。

駐車場も歩道もないため、車窓から楽しみます
みなかみ町観光協会の照葉峡公式案内には、現地に駐車場と歩道がなく、車窓から見るよう明記されています。公共交通でもアクセスできず、大型バスは通り抜けできません。
路肩へ無理に停車したり、車道へ出て撮影したりしないでください。運転中の写真撮影やスマートフォン操作も避け、写真は同乗者に任せましょう。対向車や落ち葉、濡れた路面がある山道では、景色より先に安全を見ます。

新緑は6月ごろ、紅葉は10月中旬から下旬
公式案内では、6月ごろの新緑と、10月中旬から下旬の紅葉が特に美しい時期として紹介されています。ただし、見頃はその年の気温や天候で前後します。8月の今すぐ紅葉しているという意味ではありません。秋の旅を考えるための季節案内としてお読みください。
赤や金色だけが照葉峡の魅力ではありません。春から初夏には、若い葉の向こうで水が光り、雨のあとは苔や岩の色が深くなります。色づきの頂点だけを待たず、その日の山の色を受け取ると、旅程にも少し余白が生まれます。
水上ICから県道63号方面へ
みなかみ町観光協会は、水上IC方面から国道291号を進み、「大穴」信号で右折し、県道63号沿いを進む経路を案内しています。山間部の通行規制や冬季閉鎖は年や天候によって変わるため、出発直前に群馬県の道路規制情報も確認してください。
トイレは公式案内にある利用可能な場所を事前に確認し、燃料にも余裕を持たせます。現在、奈良俣ダムのトイレは工事のため利用できない旨が掲載されていますので、現地へ向かう前に最新情報をもう一度ご覧ください。
紅葉の車窓を、宿の静けさへつなぐ
山道を抜けたあと、旅籠屋丸一へ戻るころには、窓越しに見た水の白さや葉の色が、ゆっくり記憶に残っていると思います。車から降りてから写真を見返し、「あの滝はどの名前だったのだろう」と話す時間も旅の続きです。
ここでいう「回復」は、身体への効能ではなく、景色を急いで集めず、自分たちの時間を取り戻す体験のこと。照葉峡では止まらず安全に進み、そのぶん宿へ着いたら時計を少しゆるめてください。
みなかみ町内の行き先を組み合わせる方は、みなかみ観光の選び方ガイドも参考になさってください。旅籠屋丸一への最新アクセスは公式交通案内でご確認いただけます。
※施設・交通・季節情報は2026年8月27日に、みなかみ町観光協会、群馬県観光公式サイト、群馬県道路規制情報で確認しました。
この記事を書いた人
窪田 一生
旅籠屋丸一 代表取締役/15代目
群馬県・猿ヶ京温泉生まれ。現在は旅籠屋丸一の15代目として、歴史を受け継ぎながら宿の新しい未来に挑戦中。このブログでは、猿ヶ京温泉や旅の魅力、宿づくりへの想いをお届けします。

