朝、玄関を開けたときの空気が少しだけきりっとしてくると、猿ヶ京にも秋の気配がやってきます。赤谷湖のまわりでは木々の先から色が変わりはじめ、気づけば山が錦の衣替え。猿ヶ京温泉の紅葉は、例年10月中旬から11月初旬に見頃を迎えます。
紅葉は「見頃になってから宿を探そう」と思うと、人気の週末ほど少々あわただしくなりがちです。今年の秋は、空から眺める紅葉、おいしい夕食、そして温泉までをひと続きの旅にしてみませんか。
猿ヶ京温泉の紅葉は、山から里へゆっくり降りてきます
このあたりの秋のおもしろさは、標高によって紅葉の進み方が違うこと。高い山が先に色づき、そのあとを追うように猿ヶ京の里や赤谷湖畔へ秋が降りてきます。見頃の中心は10月中旬から11月初旬ですが、その年の気温や天候によって前後します。
旅程に少し余白を残しておけば、紅葉が早い年も遅い年も大丈夫。湖畔をゆっくり歩く日も、山へ出かける日も、それぞれに秋らしい表情があります。赤谷湖畔の歩き方は、赤谷湖畔遊歩道の紅葉案内でも詳しくご紹介しています。

空から眺める秋――苗場ドラゴンドラと谷川岳ヨッホ
秋の人気スポットといえば、まずは苗場ドラゴンドラ。全長5,481メートル、片道約25分の空中散歩では、上がったり下がったりしながら山肌の色づきを楽しめます。2026年の紅葉営業は10月10日から11月8日の予定です。山頂付近、中腹、麓と見頃が移っていくため、訪れる時期ごとに違う景色に出会えるのも魅力です。
もうひとつは谷川岳ヨッホ。約2,400メートルのロープウェイで、標高約1,500メートルの天神平へ向かいます。片道は約15分。2026年のグリーンシーズン営業は11月15日までの予定で、高低差があるため紅葉を比較的長く楽しめます。
欲張って一日に二か所を詰め込むより、天候を見ながら一日一か所を選ぶのがおすすめです。山の秋は気まぐれで、雲が晴れた瞬間に「今日は来てよかった」と言わせる景色を見せてくれます。運行状況や営業時間は変わる場合がありますので、出発前に苗場ドラゴンドラ公式サイト、谷川岳ヨッホ公式サイトをご確認ください。

山のあとは、湯気の向こうに秋の夕食
たくさん景色を見た日の夕食は、不思議なくらいお腹が正直です。旅籠屋丸一では、上州麦豚のしゃぶしゃぶと上州和牛のすき焼きが人気です。
上州麦豚のしゃぶしゃぶは、出汁にさっとくぐらせ、柚子胡椒や黒七味で味の変化を楽しむ一品。すき焼きは、上州和牛の旨みと甘辛い割り下、卵のまろやかさがご飯を呼びます。紅葉を眺めてきたはずなのに、夕食の前では皆さん急に無口になることがあります。もちろん、ご機嫌が悪いわけではありません。おいしいものに集中しているだけです。
お料理は宿泊プランによって異なります。ご予約の際は、しゃぶしゃぶまたはすき焼きの記載をご確認ください。お食事については旅籠屋丸一のお料理案内でもご覧いただけます。

紅葉の余韻を、温泉でほどく夜
夕食のあとは、温泉へ。窓の向こうの木々を眺め、湯気のなかで今日見た景色をもう一度思い出す。スマートフォンの写真を整理するのは、少しあとでも構いません。
せっかくの旅ですから、日常の時計をいったん外して、何もしない時間も予定に入れてみてください。山の色、食卓の湯気、静かな湯船。その一つひとつが、日常に「回復の余白」をつくってくれます。ここでいう回復は、医学的な効能ではなく、旅のなかで気分や自分らしい時間を取り戻す体験のことです。
秋の週末は、紅葉が色づく前にご予約を
紅葉の便りが届きはじめると、10月中旬から11月初旬の週末や連休はご予約が集中しやすくなります。まだ山が緑のうちに予定を決めておくと、移動や食事プランもゆっくり選べます。
朝晩はぐっと冷え込むことがありますので、脱ぎ着しやすい上着を一枚。ロープウェイなど山へ向かう日は、猿ヶ京の里よりさらに暖かい服装がおすすめです。
※紅葉の時期は気象条件により前後します。施設の営業日・運行状況などは2026年8月12日確認時点の情報です。お出かけ前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事を書いた人
窪田 一生
旅籠屋丸一 代表取締役/15代目
群馬県・猿ヶ京温泉生まれ。幼少期からテニスに打ち込み、全国大会やオーストラリア留学を経験。
帰国後、堀越高校、中央大学へ進学。
卒業後は中国整体・サプリメント・アロマ関連など、人の身体や暮らしに関わる仕事に携わる。
現在は旅籠屋丸一の代表取締役・15代目として、歴史を受け継ぎながら宿の新しい未来に挑戦中。
このブログでは、猿ヶ京温泉や旅の魅力、宿づくりへの想いをお届けします。

