温泉宿の改修を味わう楽しみ方は、ビフォーアフターを比べることだけではありません。古い柱に新しい光が差し、昔の館名が客室区分に残り、使い方を変えた建物が次の旅人を迎える。宿が重ねてきた時間そのものを歩く楽しみです。
このページは、2011年の『リニューアル♪』を全面更新したものです。旧記事には本館、別館、ロッジガルニ、庭、蔵の湯、貸切風呂など当時の案内がありましたが、現在の施設構成や利用条件と同じとは確認できません。そこで古い情報を予約案内として再掲せず、改修を重ねる宿の見方へ組み直しました。
昔の館名は、当時の地図
古いブログに出てくる本館、別館、ロッジガルニ、万葉亭といった名前は、2011年当時の宿を知る手がかりです。ただし、今も同じ建物が同じ用途・名称で使われているとは限りません。昔の名前だけで、現在の客室や浴場の場所を判断しないでください。
現在の旅籠屋丸一公式サイトでは、本館離れ、万葉亭離れ、一棟貸し、万葉亭2階、本館2階などの区分と客室名が案内されています。予約時はこの最新表記を基準にし、古いブログは『当時の地図』として楽しむのがおすすめです。
改修は、古さを消すことではない
旅籠屋丸一の公式案内は、黒漆喰の壁、木のぬくもり、蔵を改装した湯処、館内の書画や工芸などを宿の魅力として紹介しています。新しく整えることと、古いものを受け継ぐことは反対ではありません。
梁の色、建具の手触り、廊下の幅、灯りの落ち方。どこまでが昔のままで、どこからが新しいかを当てる必要はありません。異なる時代が自然につながっているところに目を向けると、館内が少し大きな読み物のように見えてきます。
客室名から宿の物語を読む
現在の客室には、清逸、晴湖、寛畝、楓、友右ェ門、友七、文蔵など、さまざまな名前があります。部屋の広さや設備だけでなく、その響きに注目すると、宿の家族史や土地の記憶を想像する入口になります。
詳しい由来を知らないまま推測で人物関係を決めつけず、公式の歴史案内やスタッフの説明を手がかりにしてください。既存の三国街道と旅籠屋丸一の歴史も、背景を知る参考になります。
庭は、完成し続ける場所
旧記事には庭の整備にも触れていました。しかし、当時の植栽や景色がそのまま残るとは限りません。木は育ち、花の見頃は天候で変わり、管理や改修によって歩ける範囲も変わります。
宿の庭を歩くときは、現在の立入案内に従い、植木や石組みに触れたり、通路外へ入ったりしないようにします。昔の写真と同じ構図を探すより、『今日はどんな光があるか』を見る方が、今の庭と出会えます。
温泉の数や条件は、必ず最新情報で
2011年の記事にある蔵の湯や貸切風呂の数、利用条件を、現在の宿泊案内として引き継ぐことはできません。浴場、客室風呂、サウナなどの設備や利用時間、対象プランは変更される場合があります。
予約前には公式サイトの温泉案内と予約プランを確認し、不明点は宿へお問い合わせください。古い記事を見せて同じ条件を求めるのではなく、現在の案内を出発点に滞在を組み立てましょう。
写真は現在の施設と誤認させない
旧記事の写真は、撮影者や利用許諾、写っている場所の現況を確認できていません。そのため、今回の文字更新では再利用しません。古い写真をそのまま載せると、現在の客室や庭、浴場だと誤解される可能性があります。
第2段階で画像を追加する際は、権利を確認できる現在の施設写真を優先します。生成画像を使う場合は現況写真ではないことが分かる表現にし、『生成ビジュアル』と明記します。
変わる宿で、回復の余白を見つける
ここでいう『回復』は、建物や温泉設備が身体の不調を改善するという意味ではありません。長い時間を受け継ぐ宿で日常の速さから離れ、古いものと新しいものの間に自分の居場所を見つける体験価値です。
リニューアルは、一度で終わる大事件ではなく、宿が続いていくための小さな選択の積み重ね。次に訪れたとき、また少し景色が変わっていたら、その変化も旅の続きとして楽しんでください。
旧公開日:2011年6月10日
全面更新日:2026年8月10日
参考:旅籠屋丸一公式サイト、月刊まるいち旧記事
この記事を書いた人
窪田 一生
旅籠屋丸一 代表取締役/15代目
群馬県・猿ヶ京温泉生まれ。幼少期からテニスに打ち込み、全国大会やオーストラリア留学を経験。
中央大学卒業後、中国整体・サプリメント・アロマ関連など、人の身体や暮らしに関わる仕事に携わる。
現在は旅籠屋丸一の代表取締役・15代目として、歴史を受け継ぎながら宿の新しい未来に挑戦中。
このブログでは、猿ヶ京温泉や旅の魅力、宿づくりへの想いをお届けします。

