宿の中庭づくり|テニスコート跡に庭を描いた2015年

旧テニスコート跡に中庭と小さな菜園を思い描いた2015年の計画を描く生成ビジュアル

宿の中庭づくりが始まった2015年6月。そこは以前、テニスコートとして使われていた場所でした。広い平らな空間を眺めながら、植木や花が育ち、季節の色が感じられる風景へ変えていこうと考えたのです。

旧記事には、最初から完成形を決めるのではなく、木々が育つ様子や庭の雰囲気を見ながら、毎年少しずつ進めたいと書かれています。宿づくりは、一度の工事で終わるものではありません。季節を重ね、植物と相談しながら場所を育てる。その始まりを残した日記です。

テニスコート跡を眺めて考えたこと

当初は、この場所に大きな食事処をつくる案もあったと旧記事は伝えています。けれど2015年の工事では、まず景観を整えることを選びました。建物を増やす代わりに、土を掘り、植物を迎える余白をつくったのです。

何もない平らな場所は、使いやすい一方で、宿の窓から眺める風景としては少し寂しく感じることがあります。そこに一本の木が入り、花が咲き、風で葉が揺れると、同じ場所にも時間の流れが生まれます。

穴を掘るところから、庭は始まる

旧写真には、植木や花を迎えるために掘られた穴が写っていました。華やかな完成写真ではなく、まだ土の色が目立つ工事途中の風景です。それでも、これから何が植えられるのだろうと想像すると、工事中ならではの楽しさがあります。

庭づくりは、植えたその日に終わりません。日当たりや水はけを見て、枝がどちらへ伸びるかを眺め、季節が変わったときの表情を確かめる。思いどおりにいかないことも含めて、少しずつその場所らしくなっていきます。

花と木が、宿の表情をつくる

宿の庭では、花が満開の瞬間だけが見どころではありません。芽吹く前の枝、雨に濡れた葉、花が終わったあとの実。小さな変化に気づくと、滞在中の時間がゆっくり感じられます。

朝食の前に窓から庭を眺めたり、湯上がりに少し外の空気へ触れたり。観光地をたくさん巡らなくても、宿のなかで季節と出会えます。日常から少し離れ、気分に回復の余白をつくる風景として、庭は静かに働いてくれます。

ハーブや野菜を育てる構想も

2015年の記事には、植木や花に加えて、ハーブや野菜を育てる計画も書かれていました。当時すでに一部を育て、提供しているものもあったという記録があります。ただし、品目や量、料理への使い方、現在の栽培・提供状況は確認できません。

今回の更新では、自家栽培の食材を現在も提供しているとは案内しません。それでも、庭で育ったものを食卓へ届けたいという当時の思いは、宿と土地の距離を近づけようとした記憶として残しておきたいものです。

完成を急がない宿づくり

古い記事で印象的なのは、「庭の雰囲気を見ながら毎年やっていけたら」という言葉です。図面のなかだけで完成を決めず、植物の成長を待ち、その場所に合う形を探す。時間を味方にする考え方でした。

旅館は、お客様を迎えながら少しずつ変わります。大きな改修だけでなく、一本の木を植えること、歩く場所を整えること、窓からの眺めを考えることも宿づくりです。別の年に庭へ重機が入り、新しい客室工事が始まった記録は、庭に重機が入った秋でもご覧いただけます。

いまの庭は、いまの季節に

この記事は2015年の工事と構想を振り返るものです。旧テニスコート跡の現在の用途、植栽の種類、自家菜園、食材提供の状況を示す現況案内ではありません。植物や建物は年月とともに変化します。

現在の宿や庭の様子は、旅籠屋丸一公式サイトの最新情報をご確認ください。そして実際に訪れたときは、予定された完成形を探すより、その日に咲いている花や、風に揺れている葉を楽しんでいただければと思います。

風景を育てるということ

庭は、つくるものでもあり、待つものでもあります。人が土を整え、植物が根を張り、季節が色を重ねる。2015年に掘られた穴は、その長い時間の最初の一歩でした。

宿の風景が少しずつ変わるたび、そこを訪れた方の記憶も増えていきます。この日記は、まだ庭が完成していなかったからこそ残せた、期待に満ちた一場面です。

この記事について

初回公開:2015年6月22日/全面更新:2026年8月10日。旧テニスコート跡で植栽工事が始まり、植木、花、ハーブ、野菜を育てる構想を記した旧記事を、2015年当時の宿づくりの記録として再構成しました。現在の庭の用途、植栽、自家菜園、食材提供を示す記事ではありません。旧画像は権利確認が完了していないため本文から外し、画像は第2段階で追加します。


旅籠屋丸一のご予約

空室、料金、宿泊プランは日付・人数・客室によって変わります。最新情報は旅籠屋丸一の公式予約ページでご確認ください。

公式予約ページで空室・プランを確認する

予約を確定する前に、宿泊日、人数、客室、食事、合計料金、変更・取消条件をご確認ください。


この記事を書いた人

窪田 一生
旅籠屋丸一 代表取締役/15代目

群馬県・猿ヶ京温泉生まれ。幼少期からテニスに打ち込み、全国大会やオーストラリア留学を経験。

帰国後、堀越高校、中央大学へ進学。

卒業後は中国整体・サプリメント・アロマ関連など、人の身体や暮らしに関わる仕事に携わる。

現在は旅籠屋丸一の代表取締役・15代目として、歴史を受け継ぎながら宿の新しい未来に挑戦中。

このブログでは、猿ヶ京温泉や旅の魅力、宿づくりへの想いをお届けします。