夫婦で温泉旅行|会話を急がない猿ヶ京の一泊

二脚の座椅子が向かい合う旅籠屋丸一の和室

夫婦で温泉旅行へ行こうと決めたのに、行き先を調べ始めると、観光地も食事処も次々に候補が増えていきます。せっかくの旅行だからと予定を詰めるほど、二人でゆっくり話す時間が減ってしまうこともあります。

猿ヶ京温泉は、旅の予定に余白を残したい方に似合う山あいの温泉地です。今日は旅籠屋丸一の宿主として、どこを何時に回るかではなく、二人でどんな時間を過ごすかという視点から、一泊の組み立て方をご案内します。

夫婦で温泉旅行なら、移動中から競争をやめる

旅は宿へ着いてから始まるものではありません。車窓の山が近くなったこと、道の駅で見つけた野菜、途中で飲んだ一杯のコーヒー。そんな寄り道も、二人の旅の本編です。

運転する人だけに負担が偏らないよう、休憩を早めに取る。予定より遅れても、目的地を一つ減らす。小さな相談を重ねるだけで、到着したときの空気がやわらぎます。最新の交通状況は出発前に確認し、無理のない時間でお越しください。

客室では、話しても黙っていてもいい

客室に入ったら、すぐ次の予定を決めなくても大丈夫です。同じ窓を眺めながらお茶を飲む人もいれば、一人は本を開き、もう一人は畳に足を伸ばすこともあります。

夫婦だからいつも会話が続かなければならない、ということはありません。同じ場所にいて、それぞれの静けさを邪魔しない時間も、長く一緒に過ごしてきた二人ならではの旅です。丸一が大切にする「回復」は、身体の変化を約束する言葉ではなく、日常の役割をいったん置き、自分たちの速さへ戻るための余白を表しています。

夕食は、今日見た景色を分け合う時間

豚肉や牛肉、魚料理、野菜料理などが並ぶ旅籠屋丸一の夕食提供例
旅籠屋丸一の夕食提供例。内容は季節・仕入れ・プランにより変わります。写真:旅籠屋丸一提供(使用許諾済み)

夕食の席では、料理を急いで食べ終える必要はありません。「あの道の木がきれいだった」「次は違う季節に来たいね」。昼間は通り過ぎただけの景色も、食卓で言葉にすると二人の記憶になります。

掲載写真は夕食の提供例です。料理内容は季節、仕入れ、宿泊プランによって変わります。今夜の献立とともに、土地の季節をゆっくり味わっていただければうれしいです。

二人で同じことをしなくてもいい夜

食後は、温泉へ向かう時間も、部屋で休む時間もそれぞれです。一緒に過ごすための旅行であっても、すべての行動をそろえる必要はありません。先に休む人がいても、もう少し静かな館内を味わう人がいてもよいのです。

何か特別な出来事をつくらなくても、灯りの落ち着いた部屋で「今日はよかったね」と言えたなら、それだけで旅は十分に深まります。

翌朝、持ち帰るのは予定表ではなく余韻

庭の緑を望む旅籠屋丸一本館の食事処
旅籠屋丸一本館の食事処。写真:旅籠屋丸一提供(使用許諾済み)

朝になれば、二人はまたそれぞれの日常へ戻っていきます。けれど、旅先で少しゆっくり歩いたこと、同じ料理を味わったこと、黙って庭を眺めたことは、小さな余韻として残ります。

記念日でなくても構いません。忙しい日々の区切りに、夫婦で温泉旅行を思い立ったら、猿ヶ京の山あいを思い出してください。これまでお越しくださったご夫婦にも、これから旅を計画されるお二人にも、心からありがとうございます。

客室設備は旅籠屋丸一の客室設備案内でご確認いただけます。最新の宿泊プランと空室は旅籠屋丸一公式サイトをご覧ください。


この記事を書いた人

窪田 一生
旅籠屋丸一 代表取締役/15代目

群馬県・猿ヶ京温泉生まれ。旅籠屋丸一の15代目として、受け継いだ宿の時間を、今の旅人にとっての「回復の余白」へつなぐ仕事をしています。このブログでは、猿ヶ京温泉、宿づくり、季節の小さな出来事を宿主の目線でお届けします。

料理内容は季節、仕入れ、宿泊プランによって変わります。掲載写真は撮影時の提供例です。