宿に届いた煎餅を、皆でわくわくしながら囲んだ2015年の夏。袋を開け、ぱりっとした音を聞き、もう一枚だけと手を伸ばす。旧記事には、そんな飾らない喜びが残っています。
きっかけは、当時の宿で親しんでいたお米でした。そのお米から煎餅が作られたと聞き、宿の皆で分けて味わったのです。短い食べ物の話ですが、読み返すと、生産者への感謝や、土地の味を誰かと一緒に楽しむ温かな空気が伝わってきます。
お米が煎餅になって戻ってきた日
旧記事では、宿で提供していたと記されたお米の作り手から、煎餅が届いたと紹介していました。いつもは茶碗のなかで出会うお米が、今度は香ばしい一枚になって現れたことが、当時はとても嬉しかったのでしょう。
同じ素材でも、炊いたご飯と焼いた煎餅では表情が変わります。袋を開けたときの香り、手に取った軽さ、噛んだときの音。食べる前から小さな楽しみが続きます。宿の厨房や休憩の時間に、きっと賑やかな会話が生まれたはずです。
「おいしい」を皆で分ける
旧記事の感想は、さくっとした食感、歯ごたえ、塩加減がよかったという素直なものでした。難しい食評ではなく、つい次の一枚へ手が伸びそうになる様子が書かれています。
たくさん食べたい気持ちを少しこらえて、皆で分ける。おいしいものは、一人で抱えるより、誰かと感想を言い合うと記憶に残ります。「これ、好きかも」「もう一枚ある?」という何気ない言葉まで、その日の思い出になります。
最上級の言葉より、確かな一口を
2015年の記事には「日本一」という表現がありました。しかし、比較の範囲や評価の根拠を現在確認できないため、今回の更新では使っていません。お米の受賞歴、煎餅の製造経緯、当時の説明内容についても、現時点で裏づけられる一次資料が揃っていません。
食べ物の魅力は、大きな言葉だけで決まるものではありません。その場で味わった人が笑顔になったこと、皆で分けたいと思ったこと。確認できる範囲を大切にしながら、当時の素直な喜びを残すほうが、宿の日記らしいと考えました。
食べ物は、人と土地をつなぐ
旅先で味わう一膳のご飯には、作った人、運んだ人、炊いた人の時間が重なっています。煎餅の一枚にも、お米を育て、形を変え、袋へ詰めるまでの手間があります。すべてを詳しく知らなくても、その背景へ少し心を向けるだけで、味わう時間が豊かになります。
宿で食事をいただくことは、土地と出会う方法のひとつです。産地や肩書だけを追うのではなく、香りや食感を楽しみ、誰と食べたかを覚えておく。そんな食卓は、旅から帰ったあとにも静かに残ります。
現在の商品・提供情報について
旧記事は「月あかり」という商品名と当時の販売先を案内していましたが、現在の商品仕様、製造者、販売状況、価格、購入方法は確認できていません。また、旧記事で紹介したお米が現在も宿で提供されているかどうかも、この記事では案内していません。
そのため、古い販売リンクは外しました。現在の食事や宿泊内容は、旅籠屋丸一公式サイトの最新情報をご覧ください。気になる商品がある場合は、製造元または販売元の公式案内を確認してからお求めください。
夏の日記に残った、ありがとう
食べ物をいただいた日の記事には、味の記録だけでなく、贈ってくださった方への「ありがとう」が残ります。2015年の私たちも、煎餅そのものはもちろん、宿のことを思い出して届けていただいた気持ちが嬉しかったのでしょう。
旅館のブログには、大きな出来事ばかりが並ぶわけではありません。庭の花、季節の空、いただきものを囲んだ時間。小さな出来事を重ねることで、宿の日常が見えてきます。この一日も、そのひとつとして大切に残します。
味わう時間に、回復の余白を
温かいお茶を淹れ、煎餅を一枚ゆっくり味わう。ほんの短い時間でも、手を止めて香りや音に心を向けると、気分が少しほどけます。私たちが大切にする「回復」は、食品による身体への効果ではなく、日常のなかに休息と余白を取り戻す体験を表す言葉です。
忙しい旅程の途中にも、お茶を飲む時間をひとつ。土地の味と一緒なら、それだけで旅の場面になります。2015年の煎餅を囲んだように、誰かと笑いながら味わう時間を楽しんでください。
この記事について
初回公開:2015年7月28日/全面更新:2026年8月10日。旧記事に記載された、お米から作られたという煎餅を宿の皆で味わった日の内容を、当時の記録として再構成しました。「日本一」など根拠を確認できない最上級表現、現在確認できない販売先、商品仕様、宿での提供案内は削除しています。旧画像は権利確認が完了していないため本文から外し、画像は第2段階で追加します。
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この記事を書いた人
窪田 一生
旅籠屋丸一 代表取締役/15代目
群馬県・猿ヶ京温泉生まれ。幼少期からテニスに打ち込み、全国大会やオーストラリア留学を経験。
帰国後、堀越高校、中央大学へ進学。
卒業後は中国整体・サプリメント・アロマ関連など、人の身体や暮らしに関わる仕事に携わる。
現在は旅籠屋丸一の代表取締役・15代目として、歴史を受け継ぎながら宿の新しい未来に挑戦中。
このブログでは、猿ヶ京温泉や旅の魅力、宿づくりへの想いをお届けします。

